秋によせて
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    ふと、私っていつからUSOにいるんだろうと気になった。
    見学に行ったのは夏の昼下がりだったと思う。
    平石の学習室で20人にも満たない人数で
    ラヴェルの亡き王女のパヴァーヌを合わせてた。
    いっしーは痩せていた。

    昔の手帳をめくっていくと
    2005年の9月4日に初めて「USO」の文字が登場する。
    この頃はまだ入団しようか迷っていたので入団届は出していない。
    秋になって、翌年の定演に向けて練習がはじまって
    それはブラームスの4番だった。
    手も足も出ない感じだった。
    どこから取り掛かっていいのかわからないくらいだった。
    まわりもそう感じたらしく、年が明け
    曲はブラームスの1番に変更された。
    いや、1番もむずかしいです・・・。
    でも私を含め1番を演奏したことのある人が多かったから
    手も足も出せない感じではなかった。

    ブラームス1番の演奏会が終わってしばらくし
    いんぺくになった。
    入団届はまだ出していない。
    やることは山積みだった。
    団員を増やしたい。
    演奏レベルも向上させたい。
    ホールをお客さんでいっぱいにしたい。
    急いでも仕方ないのでゆっくり地道に行くことにした。
    少しずつ前に進めればいいと思った。
    演奏会が終わる毎にひとつでもふたつでも
    オケとして成長している部分があればいいと思った。

    気づいたら団員は60人を超えていた。
    休団中の人もいれたら80人くらい?
    退団した人も含めたら100人くらいが在籍していたのだろうか?
    気づいたら演奏会は年2回になっていた。
    ホールはお客様でいっぱいになっていた。
    演奏の依頼も来るようになっていた。
    他オケの方々から応援されるようにもなっていた。
    USOは成長した。
    いっしーのおなかも成長した。

    そして再びめぐってきた4番。
    いつの間にか手も足も出せるようになっていた。
    成長したUSOが奏でるブラームスの4番は
    どんな演奏になるのだろう?
    力強いのか。
    せつないのか。

    きっとこの秋の演奏会が4番なのは
    必然なのだろう。
    めぐりめぐった秋。
    めぐりめぐった4番。

    入団届はまだ出していない。
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